平田竹川研メンバーの声

自分の本当の感情を仮面の表情で伝える新しいコミュニケーション

表情の変化で感情を表現する仮面型デバイスを開発

自分では普通のつもりの表情が、まわりからは不機嫌そうに見えるらし く、よく誤解されることがありました。表情で感情を伝える方法はないかと考え、仮面を使うことを思いっきました。変形する眉や、マンガで使われる涙や怒りなどの感情記号を表示して仮面の表情を変化させ、感情を 明確に表現するもの。一定の温度になると色が消えるインクを使い、小型のキーボードで操作します。好きなキャラクターの仮面に意図的な表情をさせることで、そのキャラクターになりきる体験も可能です。ゼミの竹川先生に勧められて経産省外部団体である情報処理推進機構(JST)「 未踏プロジェクト」に応募したのですが、採択されたことで大きな自信になりました。

梅澤章乃 Akino Umezawa

システム情報科学研究科情報アーキテクチャ領域 / 博土(前期)課程 / 国際情報高校卒(新潟県)

「これ、間違いかも?」学習支援にもその気づきを活かせたら

バイオリン初心者を対象としたひっかけ要素のある学習支援システム

小学生の頃からのバイオリン経験を活かし、初心者を対象とした学習支援システムを研究しています。画面の指板上で押さえる位置を教える ポインタを指示するもので、あえて間違った位置や複数の位置を示すことで、正解を指示し続けるよりも効率的に学習することがわかりました。他の楽器はもちろん、さまざまな分野にも応用できると考えていますが、 大好きなゲームもその1つ。ゲームメーカーのプランナーもめざし、東京大学の研究室でVRの研究もしています。ゲームの本筋とは別に、意函 的に仕組まれたバグを探すという楽しみ方を提案して、バグをゲームの 新ジャンルとして確立させるのが夢です。

熊木万莉母 MarimoKumaki

システム情報科学研究科メディアデザイン 領域 / 2019年3月修了 / 富土見中学高等学校卒(東京都)

自分の好きなことや趣味をITの研究に結びつけられる それが未来大の魅力です

視線情報を活用することで楽譜を追跡するシステム

楽器を演奏する時、演奏者は譜面を見ています。私の研究は、演奏 者の視線により譜面上の演奏箇所を追跡するシステムの構築。デイスプレイ上に譜面を表示し、演奏者がどの部分を見ているのかを視線追跡装置と人工知能で推定しています。このテーマの研究論文を執筆し て国際会議(ICMC2017、上海)に提出し、採択されました。今後の展望として、自動で譜面をめくるシステムなどのほか、肢体が不自由な方が 視線で身のまわりの家電を操作するということへの応用も視野に入れて います。大学院修了後は総合エレクトロニクスメーカーヘの就職が内定しているので、これからも視線を使った研究を進めていきたいです。

寺崎栞里 Shiori Terasaki

システム情報科学研究科情報アーキテクチャ領域 / 2018年3月修了 / 仙台向山高校卒(宮城県)

楽譜の単旋律から作曲者が誰なのかを推定するという試み

暗意実現モデルに基づく作曲者らしさ識別

 幼少時からピアノを習っており、音楽大学への進学も考えていましたが、 オープンキャンパスで平田研究室の展示を見て、音楽と情報を結びつけた研究ができる未来大へ進学しました。

 卒業研究は「暗意実現モデルに基づく隠れマルコフモデルによる作曲家識別」というテーマ。わかりやすく言うと、人工知能を用いて楽譜のシンプルな単旋律から作曲者を推定するもので、将来的に演奏者が音楽を理解するための支援に役立つと考えています。現状では、バッハと現代ロシアの作曲家といった、年代的にも地理的にも離れた作曲家同土の場合は識別可能となっています。しかし、差異が小さいバッハとベートーベンでは識別が難しく、この精度を上げるのが課題です。

能登楓 Kaede Noto

システム情報科学研究科知能情報科学領域 / 博土(前期)課程 / 函館中部高校卒(北海道)

プログラミングが分からずに不安しかなかった頃の自分に今の私を見せてあげたい

文章全体の一貫性に着目して推敲を支援するシステム

ロジカルな論文を対象に文章構造の推敲を支援するシステムを研究しています。私自身、文章を書くことが苦手なので、自然言語処理の技術を使って克服できないかと考えたことがきっかけでした。文章全体の流れのスムーズさを点数で判定するシステムで、単語の類似性から文章の一貫性を計測しています。将来的に実用化されてエディタソフトに搭載されるようになれば、書き直すべきポイントが明快になるはずです。情報系の大学は授業が難しそう……と心配な人には「大丈夫!」と言いたいです。入学した頃、まさにそんな感じだった私が、大学院まで進んで研究をしているんですから。

庵愛 Mana Ihori

システム情報科学研究科情報アーキテクチャ領域 / 2019年3月修了 / 札幌手稲高校卒(北海道)

さまざまな人々の身になって 価値ある使いやすい技術を開発

情報サービスをデザインするにあたり、障害のある方、シニアの方、子育て中の方など、さまざまな人々にとって価値のある新しい技術を考える業務に就いています。インタビューや共同作業を通じて課題やニーズを発掘し、その解決 のために必要な技術を開発する部分を担当しており、調査結果を踏まえてどのような技術が必要か考えたり、実際にプロトタイプを作ったりしています。会社 では毎年「R&Dフォーラム」という研究技術の展示イベントを行っていますが、 展示説明員としてお客様に技術を説明する中で、自分の仕事が非常に多くの人たちと関わっていることを実感しています。

 どんな仕事にしても、設計やプログラミングにおいても、必ずどこかで人間との関わりがあります。「使う人のことを考える」という、今の業務の根本となる考え 方を身につけることができたのは、人間そのものに焦点を当てた未来大での学びのおかげです。

斎藤俊英 Toshihide Saito

システム情報科学研究科情報アーキテクチャ領域 / 2017年3月修了 / 山形東高校卒(山形県)

学生の興味と感心で自分の研究領域も広がっていきます

 平田竹川研究室は、知能システムコースの平田圭二教授と情報デザインコースの竹川佳成准教授と共同運営する研究室で、30名ほどの学生が「音楽情報処理」「教育・学習支援」
「応用認知心理学」「技能熟達」の4班に分かれ て研究活動を行っています。

 私どもの研究室は、教員も学生と一緒に勉強するというスタンス。学生の興味や関心によって 、教員の研究領域もどんどん広がつています。自分のスタイルを持ったマイペースな学生が多く、いつ研究室に顔を出しても、誰かが何かをやっています。やる気に満ちた学生と真正面から向き合える環境は、毎日がとても刺激的で楽しいです。

平田圭二教授

複雑系知能学科 知能システムコース

「できた!」の喜びを増やしたい

大人の習い事を応援するシステムで人生の質を豊かに、そして健やかに

 皆さんは小さい頃に自転車の補助輪を使 ったことがありますか。私の研究はITを使っ て「新しい補助輪を作ること」。その補助輪 で大人の初心者の学習を支援する研究を行なっています。学習の内容は、ピアノなどの楽器や書道、ダンス、スポ一ツといった 体を動かす技能全般です。20世紀後半の IT革命以降、私たちは生活の便利さが増すにつれ、運動する機会を徐々に手放すことになりました。21世紀の超高齢社会に向け、これからの時代は「生存のための運動」から「人生の質を豊かにするための運動」へ。そんな運動の質の変化を意識しな がら、従来の方法だけでは挫折する人があとを絶たない「大人の習い事」支援を行な っています。

 この研究の面白いところは、自分が好き な、もしくは克服したいと思っている技能が そのまま研究テーマとなるところです。3歳からピアノを始めた私の場合、鍵盤のプロジェクションマッピングで演奏を補助するピアノを作りましたが、研究室の学生たちを見ていると、タブレット端末を使った書道の書写支援(図①)や、バレーボールのスパイクを 打つ瞬間(図②)あるいはスノーボ一ドのタ一ン時の重心のかけ方(函③)、ボウリングの投球フォーム(図④)、自分では客観的に確認できない動作をセンサ一を用いて記録に残して振り返るなど、研究範囲は実に多彩です。本来の補助輪は「外す・外さな い」の二択ですが、ITを使えば「補助輪を段階的に外す」ことも可能になりました。

 大人の習い事は教わる側が自我のある大人であるため、教える側との相性や単純作業にすぐに飽きてしまうこと、本人が納得しなければ練習法を変えられないことなど、 基礎段階でいくつもの落とし穴があります。 そこにITを導入して、基礎の底上げに役立ちたい。ITが得意なところはITが教え、人が 得意なところは人が教える。両者の協調による相乗効果を期待しています。


 この研究で一番嬉しい瞬間は、学生たちが支援システムを使った結果「できた!」と 喜ぶ現場に立ち会えること。その成長ぶりを見て、「この研究をやっていてよかった」という大きな手応えを感じます。今後も世の中の「食わず嫌い」や「自分にはムリ」というあきらめに働きかけて、一つでも多くの笑顔を増やしていきたいです。

竹川佳成准教授

情報アーキテクチャ学科 情報デザインコース

図①
図④ - 1
図② - 1
図④ - 2
図② - 2
図③ - 1
図③ - 2