バイオリン初心者のための正解・曖昧・虚偽情報をもつポジショニング学習支援システムの提案

研究内容

本論文では,バイオリン初心者を対象とし,虚偽情報および曖昧情報教示機能をもつポジショニング学習支援システムを提案する.バイオリン演奏では,正確な運指,ポジショニングなどの技術が求められる.近年,ピアノ初心者を対象に光るピアノのように打鍵位置を提示する学習支援システムが提案され,その有用性が確認された.したがって,バイオリンにおけるポジショニングの学習においても,ピアノと同様に,ポジショニングを行う位置を指板上に提示するといった補助情報の提示は学習に有効と考えられる.補助情報の提示は学習者にとって直観的であり,学習を始める際の敷居は低い.しかし,初心者は補助情報に依存し,補助情報から離脱した学習をすることが難しくなる.そこで,補助情報からの離脱も同時に検討する必要がある.人間は,システムによる提示を何も思考せずに信用してしまう傾向があり,虚偽情報を提示した場合も同様に信用してしまう傾向がある.しかし,このような虚偽情報を含むひっかけ問題はヒューマンエラーの解消に有効である.また,他者から嘘やごまかしをうけると相手を信用できなくなるという人の心理特性がある.本研究の新規性は,これらの特性を活用し,補助情報からの離脱方法を新たに提案しているという点である.システムが学習者に提示情報を曖昧にしたり,誤った情報を提示することで,学習者が情報の真偽を考えるようになり,学習者が補助情報から離脱できるといった仮説を立てる.本システムを用いて,正確な補助情報のみで学習を進めた群よりも,曖昧な情報や虚偽情報を習熟度に合わせて学習する群の方が学習の効果が高いことを示すことで,本システムの有用性を示す.

発表歴

  • 熊木万莉母, 竹川佳成, 平田圭二, 虚偽情報および曖昧情報教示機能をもつバイオリン学習支援システムの提案, エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集, pp.540-542 (September 2015).
  • Marimo Kumaki, Yoshinari Takegawa, Keiji Hirata, Proposal of a Positioning Learning Support System for Violin Beginners incorporating False and Vague Information, Proceedings of 28th World Conference on Educational Multimedia, Hypermedia and Telecommunications (EdMedia 2016), pp.xx-xx (June 2016).
  • Marimo Kumaki, Yoshinari Takegawa, Keiji Hirata, Evaluation of Positioning Learning Support System using True information and False Information and Vague Information for Violin Beginner, Proceeding of Joint ICMC an SMC 2017, pp.xx-xx (October 2017).