リズム学習を考慮したピアノ学習支援

研究内容


ピアノ演奏では,正確な打鍵や適切な指使い,リズム(打鍵および離鍵のタイミング)などさまざまな技術が求められる.筆者らの研究グループでは,演奏初期段階における打鍵位置や運指の習熟を高める学習支援システムを構築してきたが,リズムの学習に関しては考慮してこなかった.楽譜にはさまざまな音長の音符や休符が存在するが,譜読みに慣れていない初学者が,五線譜上に書かれた音符および休符の音長をイメージすることは難しい.また,ピアノロール譜のように,打鍵や離鍵のタイミングを明確に提示する楽譜も存在するが五線譜の学習ができない.そこで,本研究ではこれらの問題を解決するために,リズム学習を考慮した五線譜ベースのピアノ演奏学習支援システムの構築を目的とする.提案システムは,音長を逐次チェックする機能を持ち,リズム情報を直観的に提示する手法について設計し実現している.さらに,ピアノロール譜を比較対象とした評価実験を行い,提案手法の打鍵ミス数やリズムミス数が比較対象よりも少なくなり提案手法の有用性を検証した.

ムービー


発表歴


  • 竹川佳成, 寺田 努, 塚本昌彦, “リズム学習を考慮したピアノ演奏学習支援システムの設計と実装,” 情報処理学会論文誌, Vol. 54, No. 4, pp. 1383–1392 (2013年4月).
  • Takegawa, Y., Terada, T., and Tsukamoto, M., “A Piano Learning Support System considering Rhythm,” Proceeding of International Computer Music Conference (ICMC2012), pp. 325–332 (Sept. 2012).