振返りとアノテーション共有に着目したピアノ学習支援

研究内容


ピアノの初心者は,自身の苦手箇所や練習の進捗を上手く把握できないため,効率的にピアノを練習することができない.結果として,努力に見合った練習の成果を得ることができず,ピアノの練習に対するモチベーションを低下させてしまう.本論文では,成人のピアノ初心者の効率的な練習を実現するために,打鍵情報をもとにピアノの練習の状況を可視化する機能と,譜面上に気づきをアノテーションする機能をもつ学習支援システムを提案する.評価実験では,14名の被験者にシステムを利用してピアノを練習してもらった.評価実験の結果より,被験者は可視化された練習状況の閲覧とアノテーション入力によってピアノの打鍵時間が短縮されたにもかかわらず,課題曲の習得に要する日数が短縮されていることが明らかになった.

ポスター


発表歴


  • Ueda, K.., Takegawa, Y. and Hirata, K. “Evaluation of a Piano Learning Support System Focusing on Visualization of Keying Information and Annotation,” Proceedings of World Conference on E-Learning in Corporate, Government, Healthcare, and Higher Education 2015 (E-Learn2015), pp. 1198–1204 (Oct. 2015).
  • 上田健太郎, 竹川佳成, 平田圭二, “打鍵・視線情報表示機能を持つピアノ学習支援システムが学習方略の形成に及ぼす効果の観察と分析,” 2015年度 人工知能学会全国大会(第29回)論文集, 1L4-3 (2015年5月).
  • 上田健太郎, 竹川佳成, 平田圭二, “ピアノ練習状況の可視化および気づきのアノテーション機能をもつ学習支援システムの評価,” 情報処理学会研究報告, Vol. 2015-MUS-108, No. 9, pp. 1–8 (2015年8月). ベストプレゼンテーション賞受賞