研究内容
日本酒の味わい表現は複雑かつ多様です.日本酒の味わいを表現する言葉としては,辛口,甘口,フルーティなどが挙げられます.同様に香りや色を表現する言葉もあり,日本酒を飲みなれていないユーザは,うまく日本酒の味わいを表現できず,また表現を聞いてもイメージできないため,購買活動につながらない場合がある.単語の意味的な特徴を表現する単語ベクトルは,統計的自然言語処理で利用しやすい分散表現として近年盛んに用いられるようになってきました.なかでもWord2Vecによって得られる単語ベクトルには,単語の意味的特徴が表れ,それらを用いて意味演算が行えるようになりました.
そこで本研究では,Word2Vecを用いた日本酒の味わい表現による意味演算結果から日本酒を推薦するシステム,Sake2Vecの設計と実装を目的とします.Sake2Vecは,ユーザのクエリを入力とし,得られた日本酒のキーワードからユーザの要望と一番合致した日本酒を単語ベクトルにより推測します.現状では,Word2Vecによって味わい表現の単語ベクトルが得られており,これを用いて分類及び推薦タスクによって精度の評価を行いました.評価の結果,学習コーパスに対してWord2Vecの学習アルゴリズムを考慮した前処理を行わなければ,精度良い単語ベクトルを得られないことが分かった.評価実験の考察として,理想的な前処理の実現とその方法を見つけ,それを示しました.
ポスター
