PC用キーボードのキー配列を柔軟に変更可能なキーボードカバー

研究内容


PC用キーボードは入力速度と入力精度の高さからPCを操作するための入力インタフェースとして不可欠であり,文字入力が想定されているキーボードには多数のキーが配置されている.しかし,鍵盤やゲームコントローラなどPC用キーボードのキー配列と異なるユーザインタフェースによって操作されるアプリケーションをPC上で実行する場合,それらユーザインタフェースのキー配列を崩してPC用キーボード上に再配置するか,専用の外付けUSBインタフェースなど新たにインタフェースを用意する必要があった.また,PC用アプリケーションは多数存在するが,例えば,メディアプレーヤーやゲーム,Webブラウジングなどマウスあるいは数個のキーしか使わないアプリケーションは多い.子供やお年寄りなどコンピュータの操作に慣れていない人や,視覚障害者や手が不自由な人にとってマウス操作や多数のキーから適切なキーを選択することは難しい.各アプリケーションを操作するための専用インタフェースを手軽に制作できれば,直観的にアプリケーションを操作できる.そこで本研究では,PC用キーボードを単純なキーの行列とみなして,PC用キーボードのキー配列を柔軟に変更できるキーボードカバーの設計と実装を目的とする.提案するキーボードカバーは,薄いプラスチック板や厚紙からできており,キーボードカバーに切り込みを入れることで任意形状のキーを作成できる.また,キーボードカバーのキーの下に突起を配置することで,キーボードカバーのキーを押す重さや深さといった打鍵感を柔軟に変更できる.実際に,メディアプレーヤー用コントローラや,鍵盤,ドラムパッド,テンキーといったさまざまなキーボードカバーのプロトタイプを実装し,鍵盤タイプのキーボードカバーについて簡単な試用評価実験を行いその有用性を検証した

発表歴


竹川佳成, 寺田 努, “PC用キーボードのキー配列を柔軟に変更可能なキーボードカバーの提案,” エンタテインメントコンピューティング2012, pp. 56–65 (2012年9月).